1本の電話  ~その後の出来事~


きっかけは何でも良かった。

前々から石垣島には行ってみたかったし、

沖縄の離島に行った事のある人は「沖縄に行くならやっぱり島。だよ♪」と言っていたし、

少しばかり、日常がマンネリ化していたし、

僕はいつ、どんな時でも【行動力】を大事に暮らしてきたので

昨日の仕事が終わった後

時刻は2:30am.

JALのチケット予約センターに電話してみた。

幸い

6:35am 羽田発のJTA071便は空席があった。

帰りの便も石垣発12:45am

この便に乗れば,午後4時前後に羽田に到着する

今日は夜8時から貸し切りパーティーがあるので、なんとしてでも

戻らなくてはならなかったが,

羽田空港に午後4時に着くなら、なんとかなりそうだった。

昨日、電話をくれた彼女が言うには

石垣島は車で2時間もあれば、1周出来てしまうような小さな島だと言っていたので,

表のドアに【都合により金曜日のランチ営業はお休みさせていただきます】

とだけ書き、僕は空港へ向かった。

バイクで高速を飛ばすにはまだ早い時期だし、

普段の「足」に使っているイタリアの赤い小さい車では、少々不安があったため、

自宅に戻り、国産の4WDに乗り換えて東へと向かった。

セレーノのランチ営業を休み、石垣島へ向かうという【罪悪感】と

この時間に中央自動車道を東に向かう【非日常感】にワクワクしながら,

気持ちはしだいに高揚していった

首都高湾岸線に乗り換えてから一度、コーヒーを飲みに休憩をとったが,

深夜のロングドライブもカーラジオから流れてくる

J-WAVEのパーソナリティのおかげで、退屈する事なく楽しめた。

空港北トンネルを抜けると、空港中央出口はすぐそこだった。

近くのPAに車を停め、出来たばかりの第2旅客ターミナルを眺めながら,

急いで搭乗手続きを済ませ、機内に乗り込んだ。

さすがに疲れていたのだろう。

機内で座ったとたんに眠りについてしまった。

9:40am

激しい揺れと音に目を覚ましたそこには

石垣島の青い空が広がっていた。

石垣島についてなんの知識もない僕は

空港に置いてある「石垣島タウンガイド」という

フリーペーパーを手にしてレンタカーを借りた。

昨日電話をくれた彼女に電話してみたが,

留守番電話になるばかりで繋がらないので諦めて、

空港から車で15分程の市街地へ向かった。

というか向かう予定だった。

途中あまりの青い海に惹かれ、レンタカーを停め、海を眺めていた。

11:10am

普段なら,今頃セレーノで新聞に目を通している頃だな。なんて

現実感のない事を頭のなかで、考えながら,

広い広い海を

ただ眺めていたら,ウトウトとしてきた。

遠くの方で1本の電話がなる。

「彼女が着信に気がついて電話してきたのだろう…。」なんて

思いながら,目を覚ます。

ふと、時計に目をやる

2:55am

帰国の便に間に合わない!

???

2:55am

見なれた風景

僕の目の前には飲みかけのグロールッシュのビン。

セレーノの赤いソファ。

どうやら、仕事が終わって、ソファでビールを飲んでいる間に寝てしまったようだ…。

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